FXはForeign Exchangeの略です。日本語だと外国為替証拠金取引となります。ドル、円、ユーロ、フランなどの通貨を売買することです。売買のタイミングによって、損をしたり得をしたりします。もちろん、利益を得ることを目的に売買を行います。
まずはFXの仕組みを理解する
FXで利益が出る仕組み
それでは、どうやったら利益を得ることができるかを説明します。
米ドルと円(以下ドル円)を例に説明してみます。1ドルが100円のときに1ドル買い、110円のときに売った場合、110円-100円=10円の利益になりますね。
もし、ドル円が100円のときに100ドル買って、110円のときに100ドル売った場合は、
110円×100-100円×100=100円の利益になります。
FXでは売りから入る(エントリー)こともできます。ドル円が110円のときに売り、100円のときに買い戻せば10円の利益になります。
このように、FXの仕組みは非常に単純です。しかし、FXに参入してくる人(トレーダー)の90%は損をしていると言われています。
これには、様々な要因があるのですが、その内の一つがレバレッジというシステムです。
次にレバレッジについて説明していきます。
レバレッジは諸刃の剣
レバレッジは「てこの原理」のことです。FXでは、レバレッジを使うことで、元手の何倍もの資金を使ってトレードすることができます。
つまり、レバレッジが25倍の場合、元手の25倍の資金を使ってトレードすることができます。
例えば、ドル円が100円の場合、レバレッジを25倍に設定して1万通貨をトレードする場合、必要な証拠金は4万円になります。4万円の資金でその25倍の100万円のトレードをすることができるのです。
証拠金=100円×10000通過÷25=4万円
つまり、証拠金4万円をFX会社のアカウントに入れるだけで、100万円相当のトレードを行うことができるようになります。
しかし、利益が大きいということは、それだけリスクも大きいということになります。
なぜなら、レバレッジをかけることで損失する額も同等に増えるからです。つまり、レバレッジは「諸刃の剣」ということになります。
国内のFX会社の最大レバレッジは、法律により25倍までとなっています。また、リスクを取りたくない場合は、自分でレバレッジを低く設定することもできます。
レバレッジを低く設定すれば、トレードリスクも低く抑えることができますが、その分トレードに必要とされる資金(必要証拠金)も増えていきます(下表参照)。
スプレッド
FXでは売買の値段が異なります。つまり、外貨の買値と売値には差があります。この差をスプレッドと呼んでいます。ちなみに、FXの会社はこのスプレッドで利益を得ています。
ここでは、再びドル円を例に具体的に説明していきます。
例えば、ドル円=100円(1ドル=100円)のときの場合。スプレッドが1円とすると、1ドルの買値が100.5円、そして売値が99.5円になります(100.5円-99.5円=1円)。
下の画像を見てください。これはドル円の売買画面です。
ここでは、1ドルの買値が107.341円になっており、それに対して売値は107.338円となっています。つまり、107.341円-107.338円=0.3となり、スプレッドが0.3であることを示しています。
FXのテクニカル分析勉強法
まずは、テクニカル分析の基礎知識を勉強する必要があります。ネットを検索すれば有益な情報をたくさん得ることができます。
ただし、テクニカル分析の知識がゼロという人は、1冊本を読んでおくことをおすすめします(1冊で十分です)。
テクニカル分析について、基本的な知識を得るためおすすめ本はこちらです。
テクニカル分析には、たくさんの方法があります。しかし、それら全てを使う必要はありません。
特に重要なのは、移動平均線とサポートライン/レジスタンスラインです。実際、この2つだけでトレードしている人は多いです。
サポートライン/レジスタンスラインについては、以下の記事を参考にしてみてください。
サポートラインとレジスタンスラインは、テクニカル分析において最初に判断しなければならない非常に重要なラインである。 これらのラインには、市場参加者(トレーダー)の心理(精神)状態がよく反映されている。従って、人間が市場をコ[…]
FXのファンダメンタルズ分析勉強法
FXのファンダメンタルズ分析でもっとも重要なのは、FRBの政策金利です(FRB=アメリカの中央銀行)。
FRBの政策金利が、世界中の為替にもっとも影響力が大きいので、その動向には常に注意する必要があります。
次に重要なのは、市場のセンチメントです。これは、リスクオフ/リスクオンなどと表現されることが多いです。
リスクオフとはリスク回避のことです。各国が発表する経済指標が悪いと、市場は「景気が悪くなるのでは?」という思惑が作用するため、リスクオフとなります。
この時、リスク資産は売られる傾向があります。また、リスクオフの局面では、ドル円は買われるため円高となります。
また、戦争(経済戦争も含む)が勃発した場合もリスクオフとなります(地政学的リスク)。
一方、リスクオンはリスク選好のことです。
市場のセンチメントを示す指数にVIX指数があります。これは恐怖指数とも呼ばれており、リスクオンになると数値が上昇します。VIX指数も参考にすると良いでしょう。
まとめると、ファンダメンタルズ分析では、特にアメリカの経済動向、FRBの政策金利関連のニュースに常に注意を払っておく必要があります。
FXで退場しないための資金管理法について学ぶ
資金管理でもっとも重要なことは、「マイルールの徹底化」です。つまり、トレードをするに当たり、自分自身で決めたルールのこと。
多くのFX退場者は、マイルールを徹底できていなかったか、もしくはそもそもマイルールなしにトレードを行っていたかのどちらかです。
まずは、マイルールを決めて行かなければなりません。その時のポイントは以下の3つです。
- エントリーポイント
- エグジットポイント(利確ポイント)
- ロスカットポイント(損失確定ポイント)
エントリーする前に上記の3つを決めておく必要があります。そして、いったんエントリーしたら、エントリー前に決めた通りに淡々とトレードしていくことが大切です。
典型的なFX退場者は、ロスカットポイントを守れません。エントリー後に自分の思惑と逆方向に値が動いたとき、あらかじめ設定して置いたロスカットポイントをずらしてしまうのです。
すると、ずるずると損失額が膨らみ、気づいたら塩漬け状態。最悪、必要証拠金が不足し強制ロスカットとなります。このとき、手持ち資金を一気に吹き飛ばしてしまうのです。
大切なのは、エントリー後に思惑と逆に動き、ロスカットポイントに到達したら、躊躇なく損失を確定することです。
損失は必要経費と思って、潔くあきらめましょう。
相場には多くのリスクが潜んでいます。しかし、リスクを恐れてアクションを起こさなければ何も得るものはありません。これは人生でも同じですね。 逆説的に考えてみましょう。物事には必ず両面があります。つまり、リスクがあるということ[…]
自分に合ったFXのトレードスタイルを決める
スポーツでも得意不得意があるように、トレードでも自分に向いているトレードスタイルがあります。
まずは、自分に合ったトレードスタイルを見極める必要があります。
FXのトレードスタイルには、ポジションの保有期間により主に以下の3つに区別されます。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
それぞれ説明していきます。
スキャルピング
スキャルピングでは、ポジションの保有期間が極めて短く、数十秒から数分で取り引きを繰り返す方法です(場合によっては数秒ということもあります)。
1回の利益は少なくなります(5ピップス~10ピップス程度)が、1日に何度もトレードを繰り返すことで、利益を積み上げていきます。
このように、スキャルピングは超短期の売買を繰り返すやり方なので、ファンダメンタルズを気にする必要はまったくありません。
100%テクニカル分析に頼ってトレードをしていきます。
デイトレード
デイトレードのポジション保有期間は1日です。ポジションを取ったら、その日のうちに決済を確定させるやり方です。日をまたいで持ち越すことはしません。
スキャルピングと同じように、ファンダメンタルズの影響を受けにくいため、デイトレードでは、テクニカル分析によってトレードをしていきます。
スキャルピングと異なるところは、チャートで使うローソク足の期間です。スキャルピングでは5分足や15分足でトレードしますが、デイトレードでは1時間足や4時間足がメインで使われるローソク足となります。
スイングトレード
スイングトレードのポジション保有期間は、数日から数週間(場合によっては数か月)に及びます。
中長期で利益を狙っていくやり方です。ファンダメンタルズの影響を強く受けるので、相場の大まかな流れを把握しておく必要があります。
1回のトレードで大きなポジションを取っていくことが多いので、利益はそれだけ多くなりますが、逆に損失も大きくなります。
レバレッジを低めに(5倍程度)して、ポジションを少しずつ構築していくのが王道です。
チャートを頻繁に見ることができない人には適したトレードスタイルです。
デモトレードを大いに活用する
ここまで勉強したら、次は実践です。
レバレッジを低くし、さらに小ロットで実弾トレード(実際にFX口座に入金して行うトレード)するのも良いですが(最近は1000通貨でトレードできるFX会社もあります)、最初はデモトレード(以下デモトレ)から始めるのをおすすめします。
FX会社のデモトレ口座は無料で開設できるので、そちらからトレードの感触を確かめてみるとよいでしょう。
自分の資金ではないので、完全にストレスフリーでトレードが楽しめます。まずは、売買しながらパネルの操作に慣れてください。
そして、先述したようにマイルールを少しずつ構築していってください。ある程度、マイルールが出来上がってきたら、いよいよ実弾トレードです。
FX初心者におすすめ!実弾トレまでの手順!!
ここまでの解説でFXを始めるうえで必要なことがおおまかに分かったと思います。
最後にFX初心者が、実際のトレード(実弾トレード)を行うようになるまでの手順をまとめておきましょう。
- FXで利益または損失が出る仕組みを理解する
- FXのテクニカル分析の本を1冊読む
- アメリカの経済動向や政策金利関連のニュースを監視(ファンダメンタルズ分析)
- 資金管理法について基本的なことを理解する(マイルールの構築)
- 自分に合ったトレードスタイルを決める
- デモトレを通じてマイルールとトレードスタイルを固めていく