トレードで全戦全勝などということはあり得ません。大切なのは、1勝9敗でもトータルでプラスになっていることです。
また、趣味(スポーツなど)や仕事のように、やり方を学べばそれなりにできるようになるというものでもありません。
例えるならば、投資家は起業家に似ています。
持っている株式やオプション、先物は、将来的に価値が上がるかもしれませんし、逆に下がるかもしれません。
トレードの世界で成功し大きな財を成すかもしれませんし、苦労して稼いだお金を全て失うかもしれません。
先ほども書いたように、トレードで全戦全勝はあり得ません。つまり、「負け」を認める必要があります。
しかし、多くのトレーダーは「負け」を認めることができないが故に、市場に大金を落としていってくれます(その大金はベテラントレーダーの利益になります)。
スポーツでも勉強でも「負け」には痛みが伴います。
特に投資では一生懸命働いたお金を失うので、その痛みはより強いかもしれません。また、負けが何度も重なると、痛みはさらに増強していきます。
しかし、負けることで経験する痛みとうまく付き合っていかなければ、投資の世界で成功することはできません。
勝っているトレーダーは皆、痛みの管理がとても上手です。
本記事ではトレードに伴う10個の痛みとその対処法についてお話します。
お金を失うことの痛み
損小利大のトレード
理想的なリスクリワード比は1:2から1:3です。
リスクリワード比が1:2で勝率が60%以上であれば、破産(退場)する確率は限りなくゼロに近くなります(下の表)。
リスクリワード比=1:2で勝率60%を目指すようにしましょう。
トレード頻度を減らす
負けているトレーダーの特徴の一つが、トレード頻度が多いというのがあります。
その裏の心理には、「機会損失の恐怖」があります。
つまり、チャートを見ている時はいつも「ここで入っていたら、利益が出ていたのに!」という思いに駆られています。
この手の後悔は、全て後付けなので、何とでも言えます。
一方、勝っているトレーダーのトレード頻度は圧倒的に少ないです。チャートがどんなに良い形であっても、それが「自分が待っているパターン」でなければ、そのまま静観です。
自分が待っているパターン、つまり自分の勝ちパターンを知っているから待つことができるし、トレード頻度が少なくて済むのです。
鉄板パターンで負け続き
ある程度、トレードで利益を出せるようになっているなら、おそらくほぼ確実に勝てる「鉄板パターン」を持っていることと思います。
しかし、ある日突如としてその鉄板パターンで勝てなくなる時がやってきます。
その原因にはいくつかありすが、その内の一つがファンダメンタルズです。
市場に強材料がある時、ボラティリティがかなり拡大しており、テクニカル分析が役立たないことがあります。
よって、ボラティリティインデックス(恐怖指数)は、常に監視するようにしましょう。
ボラティリティインデックスには、市場全体を表しているもの(一般にVIX指数よ呼ばれているもの)もありますが、自分が取り引きしている商品(ゴールドや原油)や為替(ドル円やユーロドル)の一つ一つにもボラティリティインデックスチャートがありますので、必ずチェックするようにしましょう。
そして、極端にボラティリティが拡大している時は、トレードを控えるようにすると良いでしょう。
連戦連敗の痛み
自分の手法に自信を持っているのなら、それほど大きな痛みを味わうことはないと思います。
しかし、連敗がストレスになっているようなら、今一度トレード手法を検証(バックテスト)する必要があります。
また、過去のトレード記録を参照し勝ちトレードと負けトレードの傾向を確認してみることも有益です(トレード記録は必ずつけるようにしましょう)。
自分の間違いを認めることの痛み
感情的なトレードをしていると、自分の間違いを認めることができません。
感情的なトレードというのは、言い換えれば妄想トレードです。
具体的には以下のような感が伴うトレードです。
- もう少しで反転する
- 塩漬けにしておけばいつかは戻ってくる
- 利確予定価格の前だけど怖いから早めに利確
- ここでエントリーしないと機会損失なので思い切ってエントリー
トレード中に自分の心を観察してみて、少しでもこのような感情があるならば、アクションは待った方が良いでしょう。
エントリーした途端に思惑の逆方向へ
個人的にも過去に何度となく経験しています(笑)。トレードを始めた頃は、そのたびにイラっとしていましたが、今は軽く受け流すことができます。
値動きが自分の思惑と反対方向へ動き、ロスカットラインに到達しても平然と損失を確定しなければなりません。これはとても強い痛みを伴います。
でも安心してください。これを何度も繰り返していく内に、徐々に耐性がついてきます(慣れてきます)。
しかし、この痛みを避けていたら、いつまで経っても耐性は身に付きません。絶対に逃げてはいけません。
まとめ
- お金を失うことの痛み
損小利大のトレードを目指し、トレード頻度を減らす。 - 鉄板パターンで負け続き
市場に強材料がある場合、トレードを見合わせる。 - 連戦連敗の痛み
連敗がストレスなら、トレード手法をバックテストで再検証する。 - 自分の間違いを認めることの痛み
感情的なトレードをしていないか確認する。 - エントリーした途端に思惑の逆方向へ
ロスカットから逃げないこと。
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