本記事ではFXや株のチャートで典型的に現れるチャートパターンについて解説してあります。
また、おまけとしてMACDとRSIインディケーターの使い方についても解説してあります。
ヘッド&ショルダー
ヘッドアンドショルダーは、典型的な反転パターン(上昇トレンド⇒レンジ⇒下降トレンド)です。
レンジのサポートラインは非常に明確に引くことができます。水平ラインであることが多いですが、斜線(右肩上がり/右肩下がり)となることもあります。
通常、左肩のレンジ部分は比較的長期間になります。それは、上昇トレンドの勢いが徐々に失われていて、高値を更新することが難しくなっていることを示唆しています。
左肩のレンジから上に抜けてヘッド(頭)に至る期間は、短くなります。ヘッドの高値もそれほど強さは認められません。
ヘッドから右肩までの期間も短くなることが多いです。
右肩に到達したころは、上昇の勢いは完全に削がれています。そのため、右肩のトップ(高値)は、必然的に左肩のトップよりも低くなります。
ヘッドアンドショルダーでの理想的なエントリーポイントは、サポートラインを明確に割り込んだ後の戻り局面になります。
トライアングル
まずは下のチャートをご覧ください。これは典型的なトライアングルパターンのチャートです。
上昇トレンド⇒レンジ⇒下降トレンド(反転パターン)のトライアングルパターンであることがわかると思います。
レンジから一旦上にブレイクアウトしていますが、高値を切り上げることができずすぐに否定されています。明らかに買いの勢いが衰えています。
その後、高値は全て切り下げてきており、トレンドラインが右肩下がりになっています(買い方の勢いが衰え、売り方が優勢となっている)。
最後はサポートラインを割り込んでいますが、この時のローソク足は周囲のものと比べ大きくなっているのがわかります。
これは、売り勢力が徐々に増加していることに加え、買い勢力のロスカット(売り)を巻き込んでいるからです(サポートライン付近にストップロスを置いている投資家が多いため)。
フラッグ
フラッグは典型的な継続パターンです。下のチャートをご覧ください。
フラッグは二本の赤線で囲まれている部分のレンジが形成されている部分になります。
フラッグの前は強い上昇トレンドになっているのがわかると思います。
その後、安値と高値を切り下げながら、下落基調となっていますが、それと同時にボラティリティの低下も認められます。
フラッグの終期のローソク足に注目してください(緑で囲まれている部分)。このローソク足には長い下髭があります。
このローソク足からわかることは、買い方の勢いが急激に増したことを意味します(売り圧力の急減)。そのため、下方へのブレイクアウトに失敗しています。
下抜けを否定された後、レンジ上限を上にブレイクアウトし、上昇トレンドが再開しています。
ウェッジ
ウェッジは反転パターンになります。下のチャートをご覧ください。
下降トレンド⇒ウェッジ(レンジ)⇒上昇トレンドの反転パターンが形成されています。ウェッジの部分では、高値、安値ともに切り下げながら下落基調となっています。
ウエッジのサポートラインとレジスタンスラインを見くらべてみてください。サポートラインの方が傾きが緩いことがわかると思います。
このことは、サポートライン(安値)付近での買い支えが強く入っていることを示唆しています。つまり、売り勢力に比べて買い勢力の勢いが徐々に増しているということです。
特にサポートラインで反発した後のローソク足が大きくなっていることからも、そのことを推察されます。
ウェッジのレジスタンスラインを上にブレイクアウトした後は、上昇の勢いをさらに加速させています。
ウェッジを上に抜けた後の押し目がベストのエントリーポイントとなります。
インディケーター
ここまで解説してきたチャートパターンだけでも、トレードでは十分効力を発揮しますが、以下のインディケーターを加えてエントリータイミングの精度を上げることもできます。
ここでは以下の2つの代表的なインディケーターをご紹介します。
- RSI
- MACD
RSI
RSIは、トレンドの転換ポイントを確認するために使われています。
下のチャートは、上昇トレンド⇒レンジ⇒下降トレンドの転換パターンです。
レジスタンスラインを上に抜けた後、わずかなレンジを形成して間もなく下降トレンドに転換していますが、RSI(下側)を見ると、値動きが明確に転換する以前に上昇の勢いが鈍化していることを示しています。
つまり、RSIを分析することで、値動きの転換点を事前に察知することができるようになります(ただし、常に機能するわけではないので要注意)。
MACD
通常、MACDでは2本のラインの動きを見て分析を行います。
具体的には以下の通りです。
- MACDライン(青線)がシグナルライン(赤線)を下にクロスした場合⇒下落トレンド
- MACDライン(青線)がシグナルライン(赤線)を上にクロスした場合⇒上昇トレンド
下のチャートの下側に表示してあるのが、MACDインディケーターです。
緑で囲まれている部分では、MACDラインがシグナルラインを下にクロスしています。
その時の値動きを見ると、サポートラインを下にブレイクアウトして下降トレンドが始まっています。
MACDインディケーターに関する詳細は以下の記事を参照ください。
まとめ
もし、あなたが投資初心者なら、過去のチャートを見て本記事で解説してあるチャートパターンを見つける練習をしてみてください。
その際、チャートのスクリーンショットを保存し、自分なりのチャート分析を記録しておくと良いでしょう。頭の中だけで考えるよりも、アウトプットした方が学習効率が上がります。
テクニカル分析で大切なのは、チャートのパターン認識能力です。この能力を養うためには、実際のチャートを見て何度となく分析する以外に方法はありません。
大切なのはブレイクアウトするまでのチャートパターンを何度も分析することです。その際に買い方と売り方の建玉の動きも考察してみてください。
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