現在(2020年11月)、株式市場でホットなセクターの一つが、テスラ(TSLA)やNIO、Li Auto(LI)、Xpeng(XPEV)に代表されるEVセクターです。
特にNIOは「中国のテスラ」と呼ばれるほど、今後の躍進が期待されています。
NIOがテスラと一線を画しているサービスに”NIO BaaS”があります。
BaaSは、”Battery as a Service”のことです。
EV車の難点の一つが満タンチャージまでに要する時間が、ガソリン車よりも長いことです。
しかし、NIO BaaSはほんのわずかな時間(3分程度)で、バッテリーを満タンチャージされたものと交換することができる画期的なサービスとなっています。
本記事ではNIOが提供するBaaSについて解説していきます。
NIO BaaSとはバッテリーのサブスク
NIOは2020年8月20日にBattery as a Service(BaaS)を開始しています。
NIOが提供するBaaSの特徴は以下の通りです。
- バッテリーのサブスクリプションサービス(交換可能)
- バッテリーは充電可能
- バッテリーはアップグレード可能
NIOで車を購入する際、購買者は「バッテリーあり」、もしくは「バッテリーなし」のどちらかを選択することになります。
バッテリーの価格が7万元(108万円)なので、「バッテリーなし」を選択した場合、車両価格から108万円を引いた金額で購入することができます。
「バッテリーあり」を選択したオーナーは、月額980元(1.4万円)を支払って、70kWhのバッテリーパックサービスを受けることができます。
つまり、NIOではバッテリーのサブスクリプションサービスを提供しているのです。
補助金とBaaSで130万円のディスカウント
例えば、ES6をBaaSプランで購入した場合、中国の新エネルギー車(NEV)補助金を考慮すると、希望小売価格は35万8000元(566万円)から27万3600元(432万円)にディスカウントされます。
この新しいサービスにより、バッテリーの劣化にかかるコストを削減し、車の再販価値を向上させることができます。
また、Baasの契約者(「バッテリーなし」を選択したオーナー)は、オンデマンドでのスワップ、さらにバッテリーのアップデートサービスの提供も受けられます。
特にバッテーリーのスワップサービスは、競合他社との大きな差別化につながっています。
NIOが提供するバッテーリーのスワップサービス
「バッテリーなし」を選択した場合、NIO BaaSのサービスを受けることになります。
そのもっとも斬新なサービスがバッテリーのスワップサービスです。
バッテリーのスワップというのは聞き慣れない言葉だと思います。
スワップは英語で”Swap”と綴ります。これは「交換」とか「取り替え」という意味です。
つまり、NIOはバッテリーの充電だけでなく、バッテリーを丸ごと交換するサービスを提供しているのです。
バッテリースワップは3分で完了してしまいます。
テスラもこの2014年頃、バッテリースワップを試行していたのですが、2年後に導入を断念しています。
現存するEV企業でバッテリースワップのサービスを導入しているのは、NIOだけです。
NIOは中国の64都市に143のバッテリースワップステーションを展開しています。これまでに80万台以上のバッテリースワップを完了しています(2020年8月時点)。
また、NIOはBaaSの他に「心配無用サービスプラン(Worry-Free Service Plan)」というサブスクリプションサービスも提供しています。
心配無用サービスプラン(Worry-Free Service Plan)
心配無用サービスプラン(Worry-Free Service Plan)は月額1万5千円のサブスクリプションサービスです。
この料金には以下のサービスが含まれています。
- 70kWhのバッテリーの使用
- 修理やメンテナンスの使用(制限なし)
- ドア・ツー・ドアの送迎(無料の送迎)
- 無料の洗車
- 無料の空港駐車場
- 無料の携帯電話データ
またWorry-Free Service Planに加入していないユーザーは、バッテリー保証料として月額80元を支払うこともできます。
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