テスラ(ティッカーシンボル:TSLA)は12月8日に、およそ50億ドル(5200億円)の株式売却を発表しました。
12月8日時点において、テスラの株価は高値651.28ドルを付けています。
つまり、イーロン・マスクは最高値で50億ドルの株式売却という手に打って出ました。
絶妙なタイミングでの株式売却だと思います。ビジネスセンスのある人はトレードにも長けている。
テスラが株式を売却するのは、今回で3回目になります。
2020年2月に20億ドルの公募増資を行い、同年9月には50億ドルの株式売却を行っています。
現在テスラはドイツ(ベルリン)とテキサス(オースチン)に工場の建設を進めています。今後も積極的に設備投資を実施していくと思われます。
2020年第3四半期の営業経費は12.5億ドル(1300億円)と報告されていますが、これは前年同期の9.3億ドル(970億円)から34%増加しています。
また、テスラは今後2年の設備投資を45億ドル(約5000億円)から60億ドル(約6300億円)と発表しています。
従って、今回の株式売却は今後2年の設備投資に充当させるためのものと思われます。
株式売却でテスラの株価は軟調に!?
それでは、過去2回の株式売却による株価の変化を見てみましょう。
以下はテスラの週足チャートです。
2020年2月に20億ドルの公募増資を行った後、株価は高値188ドルからわずか1か月で70ドルまで大きく下落しています。
この時の下落率は61%にも及んでいます。
また、同年9月には50億ドルの株式を売却した後は、502ドルから398ドルまでおよそ32%の下落率となりました。
- 2020年2月は61%の下落(188ドル⇒70ドル)
- 2020年9月は32%の下落(502ドル⇒398ドル)
過去2回のデータを見ると、いずれも増資によって株価は大きく下げています。
さて、今回は果たしてどうなるでしょうか?
50億ドルの株式売却による株価への影響
以下はテスラの日足チャートになります。
12月9日、NY市場の開場直後に史上最高値を更新しています(654.32ドル)。
しかし、その後、大きく売り込まれ安値は600ドル割れの588ドルに。
結局604ドルで引けています。
昨日1日でおよそ7%の下落率となりました。
ただし、出来高はそれほど大きくなく、積極的な売りではないと思われます。
過去の例を鑑みると、数日間は軟調な値動きになると予想しています。
テスラはS&P500に組み入れ
S&P500は米国の証券取引所に上場している大手企業500社の株価の動向を示す指標です。
テスラは12月21日にS&P500に追加されることが決定しました。
この発表直後、450ドルだった株価は一気に600ドルまで暴騰しています。
S&P500は時価総額で加重平均して算出されています。
従って、時価総額の大きい大型株の値動きからの影響を強く受けます。
現在のテスラの時価総額は6160億ドルです。
アメリカの伝統的自動車会社であるGMの時価総額が350億ドル、トヨタ自動車が2000億ドルであることを考えれば、テスラの時価総額がいかに巨大であるかがわかります。
テスラがS&P500に組み入れされることにより、インデックスファンドが間接的にテスラ株を買い入れすることになります。
従って、テスラの株価は今回の株式売却により若干軟調になると思われますが、S&P500に組み入れられる12月21日以降、堅調な展開になると予想しています。
今後の方針
2020年12月9日のNY市場が閉まった後、株価は595ドルとなっています。
20EMA付近(550ドル)までの下落を想定しています。
しかし、今回の株式売却によって調整安となれば、大口投機筋、また個人投資家らによる積極的な買いが入ってくると思われ、株価は500ドル台後半(580ドルから590ドル)で支えられるのではと予想しています。
強い調整が入れば、積極的に買い増ししていく予定です。
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