NIOの株価は2020年11月27日の最高値57.2ドルを付けた後、12月11日の終値41.98ドルまでおよそ28%の大きな下落となっています。
これまで順調に強い上昇トレンドを維持してきましたが、直近2週間ほどは軟調な値動きが続いています。
NIOの株価が軟調になっている原因には2つあります。
1つ目は、12月2日に米下院においてアメリカの監査基準を満たさない場合、中国企業のアメリカ市場での上場を却下できる法案が可決されたことに起因しています。
そして、2つ目はNIOがおよそ24億ドルの株式売却を発表したことも株価が軟調になっている原因となっています。
おそらく、後者の株式売却が株価にはより大きな影響を与えていると思われます。
本記事ではこれら2つの点について解説していきます。
中国企業の米市場上場を却下できる法案
12月2日に米下院においてアメリカの監査基準を満たさない場合、中国企業のアメリカ市場での上場を却下できる法案が可決されています。
この法案は今年5月20日、既に米上院では可決済みです。
従って、この後、トランプ大統領による署名を待って法案の効力が発動となります。
このニュースが出た時、米市場では特に中国企業の株価が軟調となりました。
投資家らは、この法案の執行によりアメリカに上場している中国企業が上場廃止になるのではないかという思惑が広がったためです。
しかし、現在、アメリカ市場に上場している中国企業は、既に厳しい監査を受けてきています。
従って、今回の法案が成立したからと言って、それが即中国企業の上場廃止リスクにつながるわけではありません。
株式売却による増資
NIOはこれまでに3回の株式売却による増資を行っています。
1回目は今年の6月11日、2回目は8月31日、そして3回目が今回(12月10日)になります。
NIOは新興のEV企業です。従って、研究開発費や海外販路拡大のために多額の投資が必要です。
NIOのようにこれから成長しいく企業は、最初に多額の投資が必要になります。最初に投資を行いその後、果実を摘み取るのです。
全ての投資は同じですね。最初に投資を行い、それが数年後に利益を生み出すようになります。
事実、NIOは来年にはヨーロッパへ販路拡大を計画しています。そして、再来年には北米での事業展開も計画しています。
中国政府の後ろ盾
現在、主要なEV企業はテスラ、NIO、Li auto、Xoengの4社です。これらの中でバッテリーをそっくりそのまま交換できるサービスを提供しているのはNIOのみです。
中国政府は、バッテリーを丸ごと交換できるEV車に対してのみ補助金を出しています。
つまり、NIOだけが中国政府の後ろ盾を持っていることになり、他社競合に比べて非常に優位な立場にあることがわかります。
結論
今回の増資によるNIOの株価の下落は、一過性のものです。
このまま、ずるずるとNIOの株価が下落していくとは考えられません。
過去2回の増資と比べて、今回は大き目の下落となっていますが、これまでNIOに投資できなかった投資家らにとては絶好の買い場となるでしょう。
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