ナノディメンジョンというイスラエルに本社がある3Dプリンターの会社についてお話したいと思います。
欧米の投資家の間では、かなり話題になっています。
日本人投資家の間でも少しずつ話題になってきているようです。
ティッカーシンボルはNNDM。ナスダックに上場しています。
私は昨年末から少しずつ買い増ししています。
まずはナノディメンジョンの企業概要からお話したいと思います。
ナノディメンジョン(Nano Dimension Ltd)について
ナノディメンジョンはイスラエルに本社があります。
多層回路基板の印刷を行う3Dプリンター(PCBプリンター)の開発と製造を行っています。
多層基板というのは、両面にプリントパターンが設けられているもののことではなく、基板の中間層となる部分にもプリントパターンが設けられている基板の事です(富士プリント工業より)。
回路結線が複雑になると基盤の両面だけでは足りなくなるため、基板を多層構造にすることで補います(下図参照)。
また、3Dプリンター用のナノ工学インクも開発・製造しています。
ARKはアクティブファンドマネジメント会社
ARKはアクティブ型の上場投資信託(ETF)を運用する投資マネジメントの会社です(ARKの正式名称は「ARKインベストメント・マネジメント」)。
キャシー・ウッド(Cathy Wood)氏が最高経営責任者(CEO)です。
アメリカに上場している株式投資をしている人ならば、一度は聞いたことがあると思います。
ARKがマネジメントしているETFの運用資産総額は、2020年の年末の時点でおよそ185億ドルになっています。
これは年初の約10倍にもなります。
ちなみに、以下が2020年12月31日時点でのARKが所有する株式のトップ10になります。
ARKはNNDMの筆頭株主
飛ぶ鳥を落とす勢いのキャシー・ウッド率いるARKが、NNDMをものすごい勢いで買っています。
そして、現在NNDMの筆頭株主がARKです(下表参照)。
2位を圧倒的な差で引き離してのダントツ1位となっています。
キャシー・ウッドはとりわけ3Dプリンティングのセクターに強い期待を持っています(それが、NNDMへの投資の原動力になっているわけですが)。
以下のリンクでキャシー・ウッドが3Dプリンティングの未来について語っていますので、興味のある方は見てみてください。
ただし英語です。
NNDMの将来性
- 3Dプリンティングは将来的に700億ドルの市場に成長する
- PCB3Dプリンターの優れた性能
- 他社競合の買収を検討中
3Dプリンティングは将来的に700億ドルの市場に成長する
まずは以下のグラフをご覧ください(参考リンク)
これによると、2021年には4800億円になるとの予想が出ています。ただし、これは金属3Dプリンターだけの予測です。
3Dプリンター全体の市場だと2兆円に達すると予測されています。
しかし、NNMDのCEOは、3Dプリンティング市場は700億ドル(7兆円)に成長すると明言しています。
PCB3Dプリンターの優れた性能
NNDMのCEOは(CNBCのインタビュー)、従来の3Dプリンターとナノディメンジョンが開発したPCBプリンターの性能の違いを説明しています。
それによると、従来の3Dプリンターでは数か月かかる作業をPCBプリンターではわずか10日で完了することができたと言っています。
これだけの性能の差があるからも明白なように、ナノディメンジョンのPCBプリンターは革命的な3Dプリンターと言えます。
他社競合の買収を検討中
ナノディメンジョンは2020年の12月に株式売却による増資を実施しました。
株式売却は既に完了しており、これにより400億ドルの資金を調達しています。
ナノディメンジョンのCEOによると、この資金の半分(200億ドル)を使い競合他社を買収する予定とのこと。
実際はナノディメンジョンには競合は存在していません。
しかし、将来的に競合になり得る企業を順次買収していくとのことです。
NNDMのチャート分析
これはNNDMの日足チャートです。
直近2カ月で3つのボックス相場を形成しています。
- 3ドル~6ドル
- 6ドル~8ドル
- 8ドル~10ドル
見てもわかるように、ボックスの上限を上にブレイクアウトした後、もう二度と下のボックスには戻ってきていません。
また、価格の上昇と共にボックスの期間が短くなってきています。
従って、現在のボックス(8ドル~10ドル)を上に抜けてくるのも時間の問題かと思います。
そして、このタイミングが10ドル以下で買うことができる最後のチャンスになるかもしれません。
結論
3Dプリンティングセクターの市場規模予測が、今後とてつもない勢いで拡大していくこと。
そして、現在ナノディメンジョンがPCB3Dプリンティングでは競合がいないこと。
さらに、競合となり得る会社を買収して競合になる前に芽を摘んでしまうこと。
今後、ナノディメンジョンが3Dプリンティングセクターにおいて、大きくシェアを伸ばしていく可能性は非常に高いと見ています。
Strong buyですね!
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