ニューヨーク証券取引所は、中国の大手国営通信会社3社に加え中国の海洋石油会社クヌークを上場廃止にすることを決定しました。
対象となるのは、CHL(チャイナ・モバイル)、CHA(中国電信)、CHU(チャイナ・ユニコム)、CEO(クヌーク)の4社です。
ニューヨーク証券取引所は、財務省の外国資産管理局から「新しい特定のガイダンス」を受け取った後、それが米国の法律に準拠していたため、上場廃止に該当しないことを確認していました。
しかし、トランプ政権と議会からの圧力に屈する形となりました。
今回の上場廃止は、トランプ政権末期の米中の緊張をさらに煽るものになりそうです。
スティーブン・ムニューチン財務長官は、当初、中国企業の受け入れ拡大を支持していました。
しかし、フロリダ州共和党のマルコ・ルビオ上院議員や国防総省当局者が、これらの中国企業がNY証券取引所に残ることへの怒りを表明したことを受け、上場廃止を決断したとみられています。
アリババとテンセントも上場廃止に!?
米国政府は、アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド(BABA)の株式購入の制限を検討しています。
この騒動は、トランプ大統領が中国軍とのつながりがあると主張する企業への投資を取り締まる動きを強めているところから始まっています。
しかし、現段階ではアリババやテンセント(香港取引所)への投資制限が市場に与える影響について議論しています。
従って、米政府がアリババとテンセントの取引禁止を実施するかどうかは、依然として不透明な状況です。
アリババが上場廃止になる可能性は低い
アリババとテンセント合わせて130兆円の時価総額。この2つを上場廃止にしたら、アメリカ市場どころか世界の市場がクラッシュする。検討する余地すらもないと思う。
アリババとテンセント追加か、米の投資禁止銘柄 https://t.co/QbaQRaUORx @WSJJapanより
— Goemon (@Goemon_ryugi) January 6, 2021
このツイートにもあるように、アリババとテンセント合わせて130兆円の時価総額を持っています。
これらを上場廃止にした場合、市場への影響は計り知れません。
これをきっかけにして世界市場がクラッシュする可能性さえあります。
米国の取引所に上場している中国企業の時価総額は約2.2兆ドル(220兆円)です。
もし、アリババが上場廃止になるならば、他の中国企業も上場廃止になる可能性があります。
大規模な上場廃止はマーケットに混乱をもたらし、アメリカの市場にも悪影響を及ぼすのは火を見るよりも明らかです。
トランプによる中国への最後の脅し
最近、中国国内においてもアリババは苦しい状況に立たされています。
しかし、アリババのような巨大企業は、中国政府にとって外貨(ドル)を稼ぐための重要な「道具」です。
それを自らの手で潰してしまうほど、愚かなことはしないと思います。
共産党の連中は、アリババを大いに利用してくるはずです(今までも利用してきていますが)。
そして、今回のトランプによる大統領令は、中国への最後のブラフ(脅迫、威嚇)だと考えられます。
このまま、順当に事が進めば、今月20日にもバイデン大統領が誕生します。
中国にいろいろと弱みを握られているバイデンが、中国に対して強硬的になるとは思えません。
おそらく、現在の政権が検討していると言われている、中国企業の上場廃止はバイデン政権に移行した後、うやむやになってしまうと予想しています。
アリババの週足チャート分析
2019年10月27日に高値319ドルを付けて以来、軟調な値動きとなっています。
直近安値は12月28日の215ドルですので、およそ100ドルの大幅な下落となっています。
安値を付けた後、やや回復していますが、依然として上値が重たい状況です。
下値目途は、上のチャートで示してあるサポートライン(青線)に置いてあります。
このまま下落基調が継続したと仮定した場合、およそ200ドル付近になるかと思います。
もし、ここで支えられなければ、ポジションの調整もやむを得ないでしょう。
しかし、アリババに関しては、まだ楽観視しています。
そういう意味では、200ドルを試す展開になったら買い増しのチャンスともとらえています。
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