サポートラインとレジスタンスラインは、テクニカル分析において最初に判断しなければならない非常に重要なラインである。
これらのラインには、市場参加者(トレーダー)の心理(精神)状態がよく反映されている。従って、人間が市場をコントロールしている限り、なくなることはない。
サポートラインとレジスタンスラインとはなに?
サポートラインとは、価格が下落してきたとき、下げ止まるポイントに引かれるラインのことである。
一方、レジスタンスラインは、上昇局面において価格が上げ止まるポイントに引かれるラインのことである。
もちろん、強いトレンドが出ているときは、これらのラインを割ってくることもある。しかし、サポートラインまたはレジスタンスラインの近辺では、いったんは値動きが止められることが多い。
サポートラインとレジスタンスラインの種類
サポートラインやレジスタンスラインとなる価格には、いくつか種類がある。ここでは、特に意識されやすい三つのポイントを解説してある。
ピボットポイント
ピボットポイントは、トレンド転換によって生じる。例えば、上昇トレンドにおいて押し目を付けた場合、反転ポイントはレジスタンスラインとなる。
従って、ピボットポイントは市場参加者(トレーダー)の需給によって決定される。
ピボットポイントが機能している期間が長いほど、そのラインは強く意識されやすくなる(ブレイクアウトが難しくなる)。例えば、5年間ブレイクしていない場合、非常に強いラインと言うことができる。
しかし、長期間破られていないサポートまたはレジスタンスラインが、ひとたびブレイクアウトされた場合、その後の値動きは非常に大きくなります(ボラティリティの増加)。
従って、ライン付近での反転を狙って逆張りエントリーする場合、しっかりと逆指値も入れておかないと、そのラインをブレイクアウトしてしまった場合、損失が拡大してしまうので要注意である。
節目価格
節目価格は心理的に意識されやすい。節目価格というのは、一の位が0の数字のことである(10、20、30、40・・・)。
節目価格が意識されやすい理由は、これらのキリ番が指値や逆指値注文で使われやすいからである。例えば、99.85ドルよりも100ドルに注文を入れるトレーダーが必然的に多くなる。
従って、節目価格はサポートやレジスタンスとして機能しやすいという性質があるのだ。
移動平均線
移動平均線は、ある一定期間の終値の平均値を示したものである。例えば、200日移動平均線は、直近200日の終値の平均値を示したラインになる。
移動平均線もトレーダーに意識されやすいラインである。よって、サポートラインやレジスタンスラインになることが多い。
トレンドが出ているとき、20日または50日移動平均線に沿って価格が変動していくことは、普通に見られることである。
特にピボットポイントが周辺に見当たらない場合、移動平均線がサポートラインやレジスタンスラインとなることが多い。
トレンド転換のサイン
サポートラインまたはレジスタンスラインをブレイクアウトした場合、トレンド転換のサインとなる。
例えば、今まで意識されていたレジスタンスラインを上方にブレイクアウトした場合、上昇トレンドへの転換が明確化したと判断する。
その時、今までレジスタンスラインとして機能してきたラインが、今度はサポートラインに転換する。
この場合、上昇トレンドとなるので、レジスタンスラインを上方にブレイクアウトした後、同じラインまでの押しを付けることが多い。
ラインまでの戻りの後、再度下落に転じたタイミングが、絶好のショートエントリーのタイミングとなる。
サポートラインとレジスタンスラインの引き方
サポートラインとレジスタンスラインの種類は以下の3種類である。
- 移動平均線
- 水平ライン
- トレンド(斜線)ライン
移動平均線はチャートの自動的に表示させることができるので、ここでは直線ラインの引き方について解説する。
水平ライン
水平ラインを引くときは、同じ価格帯でピボットポイントが発生しているかどうかに注目する。
例えば、上のチャートで示してある白いラインはレジスタンスラインとなっている。基本的には2回同じ価格帯で跳ね返されたら水平ラインを引くことができる。
下のチャートではサポートラインの例である。
同じ価格帯で2回跳ね返され、3回目にタッチした後、上昇の勢いが増している。
トレンド(斜線)ライン
上のチャートで示したラインで、何度も上値を抑えられているのがわかると思う。レジスタンスラインとして強く意識されていることの証左である。
そして、一たびこのラインを上にブレイクアウトすると、トレンド転換が起こり、一気に上昇の勢いが加速しているのがわかる。
まとめ
サポートラインやレジスタンスラインは、値動きを見ながら何度も価格が止められているところを結べばよい。
繰り返し練習すれば、比較的早い時期にこれらのラインを判別することができるようになる。
先述したように、何度も跳ね返されているラインは市場に強く意識されているため、今後も同じように跳ね返される可能性が高い。
跳ね返された回数と期間によって、そのラインの機能の強さを推測することができるのである。
1.移動平均線
2.水平ライン
3.トレンド(斜線)ライン