ダウの底値目途と到達時期について

NYダウの暴落が止まらない

連日ダウが暴落している。2020年3月16日は1日でも過去最大の下げ幅であるおよそ3000ドル(2997.10ドル)となり、12.9%の下落となった。下落幅は2020年3月12日の2352ドルを大幅に上回っている。

トランプが大統領に当選したのが2016年11月。その当時のダウはおよそ20000ドルであったので、4年分の上昇がほぼ全戻しとなっている。

FRBはこの2週間で0.5ポイント、そして1.0ポイントの合計1.5ポイントの大幅利下げを実施したが、いずれもその直後にダウは大きく売られている。

現在の株価を支える唯一の材料は、コロナウイルスの感染収束であり、どんなに利下げをしてもどんなに金融緩和をしても収まらないということである。

コロナショックによる今後の影響

コロナウイルスによって、各国は人の移動制限や大人数の会合、レストランや大型スーパーなどの一時閉鎖などの対策を講じている。

今はまだ顕在化していないが、これから発表される経済指標は相当悪化していることが容易に想像され、ここからさらに景気が落ち込む可能性が高い。

これから多くの企業の決算発表も控えており、さらなる株価の下落も十分あり得るシナリオである。

従って、これから予想されるシナリオには以下の2つが考えられる。

  1. 需給のバランスが崩れることで景気が一層悪化
  2. 企業の資金繰り悪化に伴う倒産の増加

需給のバランスが崩れることで景気が一層悪化

2020年3月16日、トランプ大統領はコロナウイルスの状況如何によっては、「アメリカがリセッション入りする可能性がある」と述べている。

先にも書いたように、現在アメリカでは人の移動を自粛する動きがあり、そのあおりを受けて航空業界はかなりの業績悪化が予想されている。

トランプ大統領は、アメリカの航空業界を「全力で支える」と言っており、500億ドルの巨額支援の検討に入っている。

ただ、アメリカのGDPにもっとも多く占めているのが個人消費である。このまま個人消費が冷え込んでいくのは明らかであり、GDP成長率が2期連続でマイナス成長の場合、リセッション入りが確定する。

企業の資金繰り悪化に伴う倒産の増加

直近2回のFRBによる利下げにより、アメリカもほぼゼロ金利となっている。これにより、銀行など金融機関の経営が圧迫されるのは明らかである。

バンクオブアメリカやシティバンクは、これに即反応。苦境に立たされる企業支援に資金を回すために、自社株買いを中止することを表明している。

しかし、この支援がどこまで継続性があるかはわからない。企業の経営状況が悪化し、銀行が貸し渋りを始めたら、資金繰りの悪化、そして経営破綻ということになる。

これが、多くの中小企業に連鎖すれば、金融危機へと発展する恐れもある。

コロナショックの株価下落はいつ底を付けるのか?

多くの投資家の最大の関心事は、この下落がいつ止まるのかということだと思う。

今回のような伝染病による株価下落では、通常感染者数がピークアウトした時に株価は底を付ける。

つまり、コロナショックによる株価下落の底を推測するためには、アメリカにおけるコロナ感染者数がいつピークアウトするかを推察すれば良いことになる。

3月16日の記者会見において、トランプは「コロナウイルスは今年の7月から8月で収束するだろう」と答えている。

もし、彼の言葉を元にすれば、ピークアウトは5月から6月頃になると思われる。従って、このタイミングで株価は底を付けてくるのではないだろうか。

ダウの底値について

それでは、ダウの底値は一体どの辺になるだろうか。

先にも書いたように、これをずばり言い当てることは不可能である。

よって、ここではテクニカルに基づく推察をしてみよう。

現在のダウの月足チャートはこんな感じになっている。

2018年12月の安値21612ドルを明確に割り込んできており、ここからもう一段安となる可能性が高まっている。

もちろん、20000ドルが意識されるだろうが、アメリカのコロナ感染状況を勘案した場合、この価格帯は遅かれ早かれ下にブレイクアウトしてくると予想している。

そうなると、その次に下値目途は18000ドルとなる。ここは過去の値動きを見ると、比較的強いサポートラインとして意識されやすいだろう。

しかし、もし18000ドルも割ってくるとなったら、200EMA付近までの下落、つまり16500ドルが下値目途として意識されてくるだろう。

16500ドルまでの下落となると、高値から実に40%以上の下落となる。リーマンショックに次ぐ大暴落と言って良いだろう。

しかし、現段階では16500ドルを割ってくることは想定していない。

ダウが底値を付けた後は・・・

現在、FRBは大きな利下げ、そして金融緩和に動いている。金融緩和は、今までとは比較にならないほどの大規模なものだ。

皮肉にも、株式市場はほぼスルー状態となっている。いや、むしろ火に油を注ぐ状況である。

もし、上に書いたように5月から6月のダウが底を打ち、反転し始めた場合、現在の金融緩和の効果が徐々に効いてくると思われる。

現金化された資金が一気に株式市場に流れ込み、バブルが起こるのではないかと思っている。

今回のコロナショックでは株式市場最速の下落スピードを記録しているが(リーマンショック以上)、その分反動も大きくなると予想している。

つまり、反動高も凄まじい勢いとなるかもしれない。

一時的にダウが30000ドルを付ける可能性さえある(だが現実的には半値戻し)。

しかし、実体経済へのダメージは徐々に表れてくるはずだ。アメリカの景気後退が意識されれば、再びダウは下落トレンドへと転換していくことだろう。

さらに、FRBが緊急利下げを行った時、その1年後には株価は下落している。

従って、次の小バブルが、最後の逃げ場となるのではないだろうか。

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