現在、コロナウイルスの欧米がホットスポットになっており、つい昨日、アメリカでの感染者数が10万人を超えて中国での感染者数を超えた。
欧州でもイタリアやスペインにおいて、特に感染者数・死者数が多く、未だに衰えを見せていない。
以下は3月23日時点でのコロナウイルスの感染者数と死亡者数、そして死亡者の割合である。
ほんの4日前のデータなのだが、先ほども書いたようにアメリカのコロナウイルス感染者数は10万人を超えており、これからさらに増加する可能性が高い。
そして、東京でも3月25日から3日連続で40名以上の感染者数となっており、首都封鎖の可能性が一段と高まっている。
イタリア vsドイツ
イタリア北部は南部に比べ医療体制が整っている。
現在のホットスポットはイタリア北部のロンバルディア州だが、もしコロナが南部に拡散したら死亡者数は激増するかもしれない。
またドイツの死亡者数の少なさは群を抜いている。さすが「世界のお手本」と言われる医療制度を持っているだけのことはある。
ドイツ人ウイルス学者DROSTEN「ドイツ人のコロナウイルス感染者の死亡率が低いのは、我々が大量の検査を行っているからだ。1週間に50万の検査を実施している」
Imperial College Londonによる試算
- 封じ込め措置一切なし 今年の感染者数全人類、死者数4000万人
- 厳重な封じ込め措置 今年の感染者数4.7億人、死者数186万人
- 封じ込めの遅延 今年の感染者数24億人、死者1045万人
これはなかなか衝撃的な試算である。
少なく見積もっても4.7億人がコロナウイルスに感染し、186万人が死亡するのである。
そして、封じ込めが遅延した場合、1000万人の死者数。なかなかのエグイ数字だ。
アメリカでのコロナウイルス感染状況
まずは下のドットマップを見て欲しい。
アメリカ全土のコロナウイルス感染者のドットマップである。
ニューヨークがホットスポットとなっているのがわかると思う。
アメリカでもっとも人口密度が高い都市であり、コロナウイルスのキャリアーとの接触機会も多いことが要因であろう。
ちなみに、3月27日時点でのニューヨークでの感染者数は4万4千人余りに達している。
同じように人口密集都市である東京においても、今後コロナウイルス感染者数が激増する可能性が高いことを示唆しているのではないだろうか。
コロナウイルスによる経済的影響
投資家が懸念していることは、コロナウイルスによる今後の経済的影響であろう。
なぜなら、コロナウイルスは遅かれ早かれ収束し、来年の今頃は殆どの人が忘れていることだからだ。
現在、世界中の国・都市がロックダウン状態となっており、様々なイベント事業、飲食、観光、航空などで軒並み業績悪化となっている。
それに伴い、失業者が既に激増している。
つい先日もアメリカの新規失業保険申請件数の発表があり、リーマンショック時の5倍超の記録的な数値が発表された。
328万3千の記録的な数字となっている。
影響は一過性の可能性
全米には約66万軒のレストランがある。その半分はフルサービス、つまりウエイトレス、バスボーイ、料理人などを雇用。
よって約550万人がレストラン関連で雇用されている。今週の新規失業保険申請件数が250万超になる可能性。
新規失業保険申請件数328.3万はリーマンの5倍である。しかし、今回の失業者の多くが飲食関係なのでやや趣が異なる。
なぜなら、多くのレストラン関係で働いている人たちは、「失業」というよりも、むしろ「自宅待機」に近いからだ。
よってトランプが言うように4月半ばにNYの閉鎖が解除されれば、この数字は元通りになる。
以下のツイートを参考にして欲しい。
NY在住の知人で客単価100ドル超の日本食レストランシェフがいるのだが、彼は現在失業中で失業保険を申請中だ。しかし、ボスには”Don’t look for a job”(仕事を探すな)と言われている。つまり、失業ではなく一時的な待機のニュアンスが強い。NY閉鎖が解除になれば、また同じ所に復職するという流れ。
— Goemon (@Goemon_ryugi) March 26, 2020
最大の懸念は金融危機
トランプはイースター(4月12日)までにロックダウンを解除すると言っているが、もしその通りになればおそらく経済的ダメージはそれほど深刻にはならない。
しかし、現在のコロナウイルスの状況が長引けば、当然ながら経済への影響は増す。
最も懸念されるのは金融危機である。
経済活動がほぼ完全にストップしている現在、資金繰りが悪化している企業はたくさんあるはずだ。
特に航空業界には深刻なダメージとなっている。
その証拠にデルタやアメリカン航空の株価は直近の半値以下まで売りたたかれている。
トランプはアメリカの航空業界を救済すると宣言しているが、少なくとも公的資金を入れるわけで、それをアメリカ国民がどこまで許容するかにかかっている。
ダウは二番底を付けてくるだろう
ここからは個人的見解になるが、現段階では金融危機には至らないと見ている。従って、2008年のリーマンショックのような事態にはならないだろう。
そうなると、アメリカでのコロナウイルス感染者数のピークアウトが株価の底になる。
NYダウの週足チャートを確認してみよう。
黄色が200EMA、そして紫色が500EMAである。
現在、ダウは200EMAを大きく下にブレイクアウトした後、さらに500EMAを突き抜けて戻して反発している局面。
直近安値は18185ドル。遅かれ早かれ、二番底を付けてくる可能性が高い。
しかし、その後の値動きについては全く予測不能。
底割れした場合、16500ドルが下値目途となるが、これは最悪のシナリオである。
追記
こちらが3月27日時点での各国のコロナ感染者素の表である。