トレードでは、利益を確定する以上に重要なことがあります。
それは、損失を出来る限り小さくすることです。
常勝のトレーダーなどはこの世に存在ません。全てのトレーダーは勝ちと負けを繰り返しながら、少しずつ利益を積み上げています。
その際、大切なのは損失を抑え、勝てるトレードの時に利益を伸ばすことです。つまり、損小利大のトレードです。
負け組トレーダーの多くは損小利大の真逆のトレード、つまり損大利小のトレードを行っています。別の表現を使えば、コツコツドカンというやつです。
小さな利益を積み上げていくのですが、1回のトレードで大きく負けてしまい、トータルがマイナスになってしまうトレードです。
このようなコツコツドカン(損小利大)のトレードをしているトレーダーには、以下の6つの特徴があります。
- 損失確定を拒否
- 市場に逆らう
- 大き過ぎるポジションサイズ
- 落ちるナイフを掴む
- ずさんなトレード計画
- マイルールを持っていない
本記事では、これら6つの特徴について解説していきます。
損失確定を拒否
個々のトレーダーによって、1回のトレードで許容できる損失額は異なるので、明確な基準は存在しません(自己資金の2%以内が妥当なところだと思いますが)。
しかし、損失確定額はあらかじめ設定しておく必要があります。
エントリーする前は常に2つのシナリオを想定しておく必要があります。それは以下の2つです。
- 利益確定
- 損失確定
つまり、ストップロス(損失確定価格)をエントリーと同時に設定しておくことが大切です。さらに重要なことは一度設定したストップロスラインは絶対にずらさないことです。
しかし、損大利小のトレーダーは、しばしばストップロスを動かしてしまいます(もしくは、ストップロスそのものをはずしてしまう)。
そして、こういう時に限ってチャートは思惑とは逆方向へと進んでいきます。こうなると完全に塩漬け状態。
現物なら株価がゼロになったら終了なのですが、FX(為替取引)やCFDなどレバレッジのかかった取引をしている場合は自己資金が枯渇するまで損失額は増大します。
株の信用取引では自己資金以上の損失を被ることがあります。
従って、ストップロスを一度決めたら絶対に動かさないと覚悟を決める必要があります。
もちろん、自分のポジションが目の前で刈られていくのは、とてもストレスフルな状況ですが、それによって自己資金を守ることができるのです。
市場に逆らう
大きな損失を被るトレーダーは、しばしば相場に逆らいます。
1度や2度なら相場に逆らっても勝てるかもしれません。しかし、10回も逆らえば、必ず1回は負けることになるでしょう。
そして、負けた時のダメージは相当大きなものになっているはずです。
トレードにおいて私たちトレーダーが明確に認識しておくことがあります。それは、トレーダーがコントロールできることとコントロールできないことを区別すること。
トレーダーがコントロールできることにはいくつかあります。それらは、エントリーやエグジットポイント、ストップロスやリスク許容度などdす。
一方、トレーダーがコントロールできないことは、ただ一つ。市場(値動き)です。だから、値動きに逆らってはいけません。
大き過ぎるポジションサイズ
ポジションサイズとリスクの大きさは比例関係にあります。つまり、ポジションサイズが大きいほど晒されるリスクは大きくなっていきます。
損小利大のトレーダーは、しばしば大きすぎるポジションを取ってしまいます。その根底にある問題は欲と怒りの感情です。
貪欲トレード
例えば、トレードに慣れてきて少しずつ勝てるようになると、多くのトレーダーは「ロットを大きくすればもっと稼ぐことができる」という欲の感情が湧いてきます。
しかし、同じトレードでもポジションサイズによって感じるストレスの大きさは変ります。当然ながら、ポジションサイズが大きくなる程ストレスレベルも上昇します。
精神的プレッシャーは、しばしばトレードミスを誘発します。ロスカットを決めた通りにできなかったり、早い利食いをしてしまったりなどがその具体的な例です。
リベンジトレード
また、こんな場合もあります。
何度もロスカットを喰らってしまった後、ロットを大きくして一発逆転を狙うケースです。
この時、欲の感情も生じていますが、怒りの感情も同時に生じています。いわゆる、「リベンジトレード」です。
もちろん、うまくいく場合もあります。しかし、失敗した時の損失は大きくなってしまいます。感情に任せてトレードは慎むようにしましょう。
ポジションを取る前に心の状態を観察
欲や怒りでトレードすると、いつか退場が待っています。
ポジションを取る前に心の状態を観察してみてください。特に欲や怒りが生じていないかを観るようにします。
もし、強い欲や怒りがあることに気づいたら、エントリーを止めましょう。
このような心の状態でのトレードの勝率は高くありません。
落ちてくるナイフを掴む
値動きには以下の3つしかありません。
- 上昇トレンド
- 下落トレンド
- レンジ(もみ合い)
通常、上昇トレンドではゆっくりとした値動きになります。
一方、下落トレンドは素早い値動きになることが多いです。
下落トレンドは一気に起こる
例えば、こちらのチャートを見てみましょう。
これはS&P500の週足チャートです。
2016年12月から4年以上かけて1400ポイント上昇しています。
しかし、2020年2月から4月までのたった2か月で4年分の上昇分を全て帳消しにしています。
このチャートを見ても明らかなように、下落トレンドのスピードは凄まじいのです。
落ちてくるナイフ
従って、下落トレンドに逆らって買いを仕掛けるのは、ちょうど落ちてくるナイフをつかむようなものです。
いわゆる逆張りトレードですが、大抵の場合、大けがを負うことになります。
特に投資初心者は、値動きに逆らわない順張りトレードをお勧めします。
ずさんなトレード計画
エントリー前には必ずトレード計画を立てるようにします。
この時、以下の2つの想定シナリオへの対応を考えておく必要があります。
- 思惑通りの値動き
- 思惑とは反対方向の値動き
思惑通りの値動き
エントリー後に思惑通りに値が動いてくれた場合、考えるべきことは一つ。
エグジットプラン、つまり利益確定ポイントです。
自分好みのテクニカル指標を活用して利確するポイントを決めると良いでしょう。テクニカル指標には優劣がありませんので、あくまでも自分の好みで選びます。
個人的には以下の3つを指標にしています。
- 移動平均線
- サポートライン
- レジスタンスライン
思惑とは反対方向の値動き
思惑とは反対方向に値が動いてしまった場合、考えなければならないのは損失確定ポイントです。
損失をどこまで許容するかも個々のトレーダーによって変わります。
従って、エントリー前にあらかじめ決めておく必要があります。
マイルールを持っていない
マイルールの重要性は、本ブログでも何度も触れています。
マイルールを持つことのメリットは、機械的にトレードを行うことができることです。
トレードではどうしても感情的になってしまうことが多いです。感情的になるほど、大きな損失を被ることになります。
しかし、マイルールに従って淡々とトレードすれば感情に流されることも少なくなります。
もちろん、感情移入せず客観的に状況を観ることができるならば、マイルールなど必要ありません。しかし、一部の天才トレーダーを除き、多くのトレーダーにはそのような芸当は無理です。
まとめ
ここまで解説してきたことをもう一度整理しておきましょう。
- 損失確定を拒否
- 市場に逆らう
- 大き過ぎるポジションサイズ
- 落ちるナイフを掴む
- ずさんなトレード計画
- マイルールを持っていない
特に投資初心者の方は、本記事で解説したことに特に気を付けてトレードをするように努めてください。
これらを遵守してトレードを続けることで、少しずつでも利益を積み上げていけるようになるはずです。